2017.08.28 Monday
2017.08.28 Monday
迷探偵うーにゃんと第二の事件*楽天メルマガ8月24日配信分
夏の終わりの小説第7話!
今日から新学期の人もいるのかな?
気分を新たに、迷探偵うーにゃんも新たな局面へ…!
★第一話を見逃した人はこちらへGO!
→ 迷探偵うーにゃんと謎の依頼人*楽天メルマガ6月1日配信分
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【前回までのあらすじ!】
凶悪犯罪者(クッキーを無断で食べた)の“はなこ”さんを探すため、
怪しげな洋館にやってきた探偵うーにゃんと助手のしば太郎だったが、
悲惨な第二の殺人(クッキー)が起こってしまい……。
みんな、落とし穴には気を付けろよ!!
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うーにゃんの救出劇は、屋敷の人間全員で行われた。
〜回想〜
しば太郎は、土に埋まった大きなうーにゃんを見つけました。。
しば太郎は、うーにゃんを引っ張ります。
うんとこしょ、どっこいしょ。
まだうーにゃんは抜けません。
次に、やってきた青いチキングがしば太郎を引っ張って、しば太郎がうーにゃんを引っ張ります。
うんとこしょ、どっこいしょ。
まだまだうーにゃんは抜けません。
次にやってきたミィくんが青いチキングを引っ張って、青いチキングがしば太郎を、……。
結局、しば太郎、青いチキング、ミィくん、モフくん、ルゥくん、サバくんの順でみんながやってきて、なんとか抜けたのでした。
〜回想終了〜
「なんかどっかで見たような光景だったにゃ」
「うんとこしょ、どっこいしょでござる」
全員泥まみれだったので、1度シャワーを浴びて身ぎれいにしてから、最初に通された広い会議室へ集まった。
議題は当然、『はなこさん』についてである。
「はなこさん許すまじ。まず、第一発見者の話を聞きたいのにゃ」
ふんすふんすと怒っているうーにゃん。
落とし穴に落ちたときに打ってお尻も腰も痛いし、踏んだり蹴ったりなのである。
「まず、聞こえた悲鳴の主にゃが、やけに甲高い声だったのにゃ。あれはさてはミィくんですにゃ?」
「いえ、わたしじゃなくて」
「オレだぜ」
スッ、と美しく上げられた、青い手……というか、手羽先。
うーにゃんとしば太郎は、ぱちぱちと二回瞬きをした。
「…………ん? 幻聴?」
「聞こえなかったか? オレだぜ」
「ぱーどぅん?」
「オレだぜ」
「Oh」
しば太郎はスッと起立した。
「なんだてめぇえええええええ中二病キャラのくせに悲鳴は乙女とかキャラ盛りすぎにもほどがあんだろこの手羽先!!! 胡椒をたっぷりまぶして世界の山ちゃん宛に出荷してやろうか!!!」
「お、おちつくのにゃしば太郎!! 語尾を忘れてはいけない、語尾だけは、小説における君の唯一のアイデンティティだけは!!」
しば太郎のしがみついてしば太郎の暴走を止めている。その横ではミィくんが聞き入ったように『キャラ立ては大事です……にゃ』とうなずいている。
フッ……と青いチキングは笑い、持っていたワイングラス(中身はももジュース)を傾けた。
「まるで乙女のような、甲高い悲鳴……そんなことは、いまは関係ないだろう」
「関係ないけど気になる、そんな気持ちも理解してほしいのにゃ」
「いま重要なのは、オレがはなこさんを見たかどうか、ってことさ」
青いチキングは語りだす。
「オレははなこさんを見た。それは、kitchen。台所と呼ばれる場所。日々の糧、我々の血肉となりし供物が生まれては消えていく聖なる場所」
「この口調うぜぇでござる」
「オレは、命の根源たる1杯の水を求めて足を踏み入れた。そこには、“彼女”がいた。“彼女”は、布をかぶっていた。だから正確には、“彼女”が『女であるか、男であるか』はわからない。だが、唯一わかることがあった、それは」
「それは?」
「“彼女”がクッキーをむさぼっていた、ってことさ」
フッ、と彼はワイングラス(2度目だが、中身はももジュース)を口に含む。思わせぶりにテイスティングして、こくり、と嚥下して、彼は言う。
「オレはその光景を見て、失神した」
「なんでにゃ!?」
「予想外の出来事が起こり、繊細なオレのハートが耐えられなかったんだろうさ。気が付いたら、はなこさんは消えていた。kitchenから外に続く勝手口の扉が開いていて、目の前にミィがいた」
「わたしが見たのは、倒れていた青いチキングでした」
話を振られて、次はミィくんが語りだす。
「わたしは、玄関のほうにちょっと用事があって」
「用事ってなんにゃ?」
「探し物です。実は、今朝からお気に入りの長靴がなくなってまして、玄関に置いたかもしれないと思いだしたのです、……にゃ」
「それで、探し物の途中で悲鳴が聞こえて、一番乗りで駆け付けられた、というわけでござるな」
「どこにあるか分からない長靴より、悲鳴のほうが重要ですから……にゃ」
「ルゥくんとサバくんはなにをしてたのにゃ? そういえば、来るのも遅かったにゃ」
水を向けられたルゥくんとサバくんは一瞬びくりとして、二人して目を泳がせた。
えーとえーと、とつぶやいて、やがて観念したように、
「悲鳴が聞こえるまでは、部屋で二人でくつろいでました」
「でも、あの声が聞こえて、びっくりして」
「階段のところまで出たのはいいんですけど、そのあと怖くて、二人でずっとおろおろしてました……」
「遅かったといえば、モフくんも来るのが遅かったでござるな」
じとり、としば太郎はモフくんを睨む。
そういえば、うーにゃんとしば太郎とモフくんは一緒に部屋を出たはずなのに、到着したのは一番最後だった。
モフくんはその言葉に、こてり、と首を傾げ、
「知ってるもふ?」
言った。
「モフくんは、走るのが遅いもふ」
「どうでもいい」
続く…
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起こってしまった第二の事件…そのとき、うーにゃんは!?
「探偵うーにゃんの事件簿 第8話」をお楽しみに!!
\次回更新は9月8日予定/
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しば太郎「モフくんオチ、多くない?」
うーにゃん「き、きのせいなのにゃ……」
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